いいな いいな 人間っていいな

昨日の帰り道、電車を待っているホームで、小学生の男の子の声でこんな言葉を耳にしました。「明日は僕の次世代型のドローンのアイデアの発表会なんだ」。

思わず振り向くとそこにはキラキラした目の聡明そうな小学校3年生くらいの男の子と、同じく目をキラキラさせた妹?双子の女の子?とご両親が、私のすぐ後ろに立っていました。

ガラガラの21時台の登りの中央線。向かい側にすわった親子のご様子を、本を読むふりをしてこっそり観察させてもらいました。

ご両親は、とても質素で堅実な感じの40台半ば過ぎのメガネをかけた方達で、その出で立ちや雰囲気から知性の高さをうかがわせます。ご両親に挟まれた子供達とご両親の会話が、弾むこと弾むこと。お互いに話していることが、そして相手の話が、楽しくて仕方ないという風情で目をキラキラしながら話をしています。

特にお母さんは、一見どちらかというと地味なのですが、笑顔と笑い声が弾ける玉のように朗らかで、笑うと優しいウサギのような表情になります。その笑顔が見たくて、そしてお母さんの笑い声が聞きたくて、子供達も夢中になっておしゃべり。そして、お母さんはというと大人然とした雰囲気も、逆に子供達に阿った感じもなく、ごく自然におしゃべりを楽しんでいます。

途中でおしゃべりに飽きた妹さんは、どちらかというとニコニコ聞いているお父さんに、とても高度な「あっち向いてホイ」をやろうとせがみます。会社では絶対に堅物と思われているだろう堅実そうなお父さんが、これまた満面の笑みで、高度なあっち向いてホイを巧みな手つきで楽しんでいます。思わずこちらも、吹き出してしまいそうな表情です。

何て幸せそうなご一家!荷物をたくさん抱えているところを見ると、日曜の一家揃ってのおでかけの帰り道で、時間的にもぐったり疲れていてもおかしくないのに、なんて楽しそうなのかしら!

そして気づいたのは、ご両親が一度も携帯を取り出したり、集中を子供達から切らしたり、話を遮ったりしないことです。この21世紀での今時に、なんてレアなご両親!!(笑)

私はというとすっかり眉間が緩んで、中央線にいながらちゃぶ台を挟んで楽しく語る昭和の暖かいご家庭にお邪魔しているような、不思議な感覚を味わっていました。昔の日本昔話のエンディングソングの歌「いいな、いいな、人間っていいな♪」と歌いながら人間のお家を覗いている動物の心境?(笑)。心からうっとりしてその光景を眺めていました。

あまり、人を妬んだり、羨ましいなと思ったことがない私ですが、このご一家をみていたら、次に生まれかわったらこんな家庭を作りたいな、こんな大人になって子供達を育てて見たいな…と心から願い、夢を月に託しました。

電車を降りていくご一家に、心の中でお礼をいいながら、家に帰り着くまで、そして眠るまで、暖かい気持ちに包まれていた日曜の夜でした。