女性は体内に潮のリズムを持っています。月の引力や動きと見えない無線で交信しながら自分の時を刻み、そして、子孫を残すことも可能にする神秘のリズム。
気づくていてもいなくても、女性はそのリズムの影響を心身ともに大きく受けながら、個々人の月の満ち欠けを繰り返します。
体内の浄化システムでもあり、要らなくなったものを脱皮して排出し、また新たなサイクルを育む生理ですが、それは一つの可能性・ポテンシャルの死でもあり、喪の期間であり、暗黒を含んだ漆黒の混沌の時間にもなります。
そのマグマのような力は死をも司るとされ、古代から畏怖の念の対象となっていて、聖なるテントの中で、物忌みの館で、自然の中で、お籠りをさせることでその力の制御と昇華することを学ばせる文化が、世界のあちこちにありました。
そんな神秘的な生理ですが、ホルモンの大きな変化が引き起こす精神的なアップダウン、独特のだるさ、出血に伴う一時的な体力の喪失から、憂鬱に感じる女性は多く、PMSとして今は医療の分野が踏み込むまでになりました。けれど、それは本来はあって当たり前の、毎月訪れる女性の通過儀礼です。その通過儀礼を通り抜け続ける強さとそのエネルギーを愛と美に昇華させることへのコミットメントを、女神と呼んだのかもしれません。
と、ここまでわかっていても…体重・体力をぎりぎりまで落とし、綱渡りのような毎日を送っている身体には、今回の生理はものすごい試練となって訪れました。
ありとあらゆる手を尽くしても、荒れ狂う乱気流は収まりません。その中を、操縦が効かなくなって、エンジンは切れ切れ、燃料計がアラームを鳴らしている飛行機で飛び回るような数日間でした。めまい、貧血、吐き気、頭痛、凍えるような冷え・・・
ふと気をぬくと、暗黒が生きる気力を奪おうと迫ってきます。かぐや姫のものがたりに出てくるような、にこやかで苦しみを知らない世界の住人が呼びにきます。私の第2章は、もしかしたら地球ではないのかな、そんな気さえしてきます。
もともと整体でいう上下型、ohanaが言うところの大上段に考えるのが好きな人間なので、気をぬくと地上で生きる力がどんどんなくなっていきます。
そんな中、私の大好きなOhanaで天才アーティスト、その感覚や鋭い感受性はいつか世界を変えると周りの誰もが深いところで確信しているコノハナサクミちゃんのブログをふと思い出して覗きました。そこには、彼女の、研ぎ澄まされすぎた感性を持っているが故のいじめ体験やそれを乗り越える心理的葛藤、戦争や平和に対する切実なまでの思いなどが正直な言葉で綴られていて、私の心に光をくれました。
そして、そこにupされている、素晴らしい二頭の龍の絵。この龍たちが、暗黒から呼ぶ何かから私を奪い取り、光の世界に向けて飛翔してくれるのを感じました。
もう大丈夫、生きるベクトルに身体が動き出した、そう感じて、身体中が緩み暖かい涙が出ました。
そこからエネルギーが回復し、一番に思ったのは、そうだ、このところ失敗が続いている、パン焼きに挑戦しよう!でした。全粒粉100%で、乳製品ぬき、砂糖ぬき。ぼあぼあ力が湧いてきて、ぼあぼあした幸せ感が続くパン。こどもからお年寄り、病気があってもなくても、美味しい!と笑顔になるパン。
そこから夜中までかかって発酵を励まし励まし(全粒粉パンは発酵しにくいのです)透明な心で祈るような気持ちで作りました。
そして、焼けたのがこのパン。試食してみたら、もっちりしっとりなのに、ちゃんと膨らんでいて、そして、プレーンピューレの甘みが程よく、美味しいよ、美味しいよ、と泣きながら食べました。食べて、眠って、働いて、人を愛して、社会とコミットして、這いつくばって生きるぞ!Alohaをこめて食べ物を作るぞ。
サクミちゃんにちなんで咲耶姫パンと名付けました。
今日はまた新しい1日です。
aloha mahalo